犬は去勢していないで年をとるとお尻の周りに腫瘍ができます。これが肛門周囲腺種、もしくは肛門周囲腺癌です。
症状は、腫瘍が小さい場合は無症状か、お尻を舐めたりするだけですが、ある程度になると、出血したり、化膿したりします。
また、その大きさがかなり大きくなると、肛門自体を圧迫し排便障害をひき起こし、悪性のものでは、周囲のリンパ節、腹腔内臓器、脊椎などに転移して、重い症状が出ることもあります。

手術例

この子は12歳の未去勢の子で以前からイボがあったのですが、様子を見ていると大きく、またお尻に全周に広がっています。
肛門周囲腺癌は肺に転移しますが、この子は転移はなく、手術後の排便も問題なく元気にしています。
このようになると、手術も大変ですし、肛門の筋肉を傷つけると最悪排便がコントロールできなくなりますので、イボは何処にできても念のため来院してください。

手術前

手術中

手術中

手術後